船舶サイバーセキュリティ最新国際規格「IACS UR E26/E27」日本語解説版をOT/制御システムセキュリティeラーニング「eICS」受講者向けに提供開始
~製造業・産業インフラのサイバーレジリエンス強化を支援するICS研究所が、海事分野の国際基準対応を促進~
製造業や重要インフラをはじめとするOT(Operational Technology)/制御システム分野のサイバーレジリエンス実現に貢献するプロフェッショナル集団であるICS研究所は、この度、船舶のサイバーセキュリティに関する重要な国際規格、国際船級協会(IACS)発行の統一規則「UR E26 (Rev.1, Nov. 2023)」および「UR E27 (Rev.1, Sep. 2023)」の日本語訳を解説付きで作成いたしました。これらの資料は、当研究所が提供するOT/制御システムセキュリティのeラーニング「eICS」の受講者限定で公開いたします。
近年、工場やプラント、そして船舶運航においてもデジタルトランスフォーメーション(DX)が急速に進展する一方で、サイバー攻撃の脅威はOT領域全体で深刻な課題となっています。特に海事分野においては、国際海事機関(IMO)やIACSなどが主導し、船舶のサイバーレジリエンス(サイバー攻撃からの防御、検知、対応、復旧能力)向上に向けた国際的な規制やガイドラインの整備が進められています。
ICS研究所は、製造業やエネルギー、交通といった幅広い産業インフラのサイバーセキュリティ対策支援で培った知見を活かし、海事分野特有の課題解決にも取り組んでいます。この度提供を開始する日本語訳・解説資料は、以下の最新IACS統一規則に関するものです。
・IACS UR E26 (Rev.1, Nov. 2023) 「船上システム及び機器のサイバーレジリエンス」日本語訳・解説
◎概要: 本規則は、船舶のライフサイクル(設計、建造、試運転、運航)を通じて、サイバー攻撃に対する船舶のレジリエンスを確保するための統一的な要求事項を定めています。運航上重要な船上システムおよび機器を特定し、これらをサイバーインシデントから保護、検知、対応、復旧するための方策を網羅的に規定。2024年7月1日以降に建造契約が締結される新造船が対象となり、船舶におけるサイバーセキュリティ対策の国際的な基盤となる規格です。
・IACS UR E27 (Rev.1, Sep. 2023) 「船上システム及び機器のサイバーレジリエンスを支援する船上システムインテグレーター及び機器メーカーのサイバーセキュリティ」日本語訳・解説
◎概要: 本規則は、「UR E26」で定められた船舶のサイバーレジリエンスを、サプライチェーン全体で担保することを目的としています。船上に搭載されるシステムや機器を供給するシステムインテグレーターやメーカーに対し、セキュアな製品開発ライフサイクル管理や、製品自体に求められるセキュリティ機能に関する要求事項を具体的に示しています。これにより、船舶に供給されるコンポーネントレベルからのセキュリティ向上を図り、より強固なサイバーレジリエンス体制の構築に貢献します。2024年7月1日以降に建造契約が締結される新造船が対象となります。
これらの詳細な日本語訳および解説資料は、ICS研究所が提供するOT/制御システムセキュリティのeラーニング「eICS」の受講者であればアクセス可能です。「eICS」では、産業サイバーセキュリティの基礎から、各分野の課題に応じた実践的な対策まで、体系的かつ網羅的に学習することができます。
▼OT/制御システムセキュリティのeラーニング「eICS」の詳細はこちら
https://www.ics-lab.com/e/
ICS研究所は、今回の最新IACS規格の日本語解説版の提供を通じて、海事分野におけるサイバーセキュリティ意識の向上と国際基準への準拠を支援するとともに、製造業やその他重要インフラ分野も含めた日本全体のOTサイバーレジリエンス強化に貢献してまいります。今後も、OT/制御システムセキュリティに関する最新動向や専門的知見を発信し、安全・安心な社会基盤の実現を目指します。